イザヤ30-31; ピリピ4

イザヤ書

第30章

30:1主は言われる、
「そむける子らはわざわいだ、
彼らは計りごとを行うけれども、
わたしによってではない。
彼らは同盟を結ぶけれども、
わが霊によってではない、
罪に罪を加えるためだ。
30:2彼らはわが言葉を求めず、
エジプトへ下っていって、パロの保護にたより、
エジプトの陰に隠れようとする。
30:3それゆえ、パロの保護は
かえってあなたがたの恥となり、
エジプトの陰に隠れることは
あなたがたのはずかしめとなる。
30:4たとい、彼の君たちがゾアンにあり、
彼の使者たちがハネスに来ても、
30:5彼らは皆おのれを益することのできない民により、
すなわち助けとならず、益とならず、
かえって恥となり、はずかしめとなる民によって、
恥をかくからである」。
30:6ネゲブの獣についての託宣。
彼らはその富を若いろばの背に負わせ、
その宝をらくだの背に負わせて、
雌じし、雄じし、まむしおよび飛びかけるへびの出る
悩みと苦しみの国を通って、
おのれを益することのできない民に行く。
30:7そのエジプトの助けは無益であって、むなしい。
それゆえ、わたしはこれを
「休んでいるラハブ」と呼んだ。
30:8いま行って、これを彼らの前で札にしるし、
書物に載せ、
後の世に伝えて、とこしえにあかしとせよ。
30:9彼らはそむける民、偽りを言う子ら、
主の教を聞こうとしない子らだ。
30:10彼らは先見者にむかって「見るな」と言い、
預言者にむかっては
「正しい事をわれわれに預言するな、
耳に聞きよいことを語れ、迷わしごとを預言せよ。
30:11大路を去り、小路をはなれ、
イスラエルの聖者について語り聞かすな」と言う。
30:12それゆえ、イスラエルの聖者はこう言われる、
「あなたがたはこの言葉を侮り、
しえたげと、よこしまとを頼み、
これにたよるがゆえに、
30:13この不義はあなたがたには
突き出て、くずれ落ちようとする高い石がきの
破れのようであって、
その倒壊はにわかに、またたくまに来る。
30:14その破れることは陶器師の器を破るように
惜しむことなく打ち砕き、
その砕けのなかには、炉から火を取り、
池から水をくめるほどの、ひとかけらさえ
見いだされない」。
30:15主なる神、イスラエルの聖者はこう言われた、
「あなたがたは立ち返って、
落ち着いているならば救われ、
穏やかにして信頼しているならば力を得る」。
しかし、あなたがたはこの事を好まなかった。
30:16かえって、あなたがたは言った、
「否、われわれは馬に乗って、とんで行こう」と。
それゆえ、あなたがたはとんで帰る。また言った、
「われらは速い馬に乗ろう」と。
それゆえ、あなたがたを追う者は速い。
30:17ひとりの威嚇によって千人は逃げ、
五人の威嚇によってあなたがたは逃げて、
その残る者はわずかに
山の頂にある旗ざおのように、
丘の上にある旗のようになる。
30:18それゆえ、主は待っていて、
あなたがたに恵を施される。
それゆえ、主は立ちあがって、
あなたがたをあわれまれる。
主は公平の神でいらせられる。
すべて主を待ち望む者はさいわいである。
30:19シオンにおり、エルサレムに住む民よ、あなたはもはや泣くことはない。主はあなたの呼ばわる声に応じて、必ずあなたに恵みを施される。主がそれを聞かれるとき、直ちに答えられる。30:20たとい主はあなたがたに悩みのパンと苦しみの水を与えられても、あなたの師は再び隠れることはなく、あなたの目はあなたの師を見る。30:21また、あなたが右に行き、あるいは左に行く時、そのうしろで「これは道だ、これに歩め」と言う言葉を耳に聞く。30:22その時、あなたがたはしろがねをおおった刻んだ像と、こがねを張った鋳た像とを汚し、これをきたない物のようにまき散らして、これに「去れ」と言う。
30:23主はあなたが地にまく種に雨を与え、地の産物なる穀物をくださる。それはおびただしく、かつ豊かである。その日あなたの家畜は広い牧場で草を食べ、30:24地を耕す牛と、ろばは、シャベルと、くまででより分けて塩を加えた飼料を食べる。30:25大いなる虐殺の日、やぐらの倒れる時、すべてのそびえたつ山と、すべての高い丘に水の流れる川がある。30:26さらに主がその民の傷を包み、その打たれた傷をいやされる日には、月の光は日の光のようになり、日の光は七倍となり、七つの日の光のようにになる。
30:27見よ、主の名は遠い所から
燃える怒りと、立ちあがる濃い煙をもって来る。
そのくちびるは憤りで満ち、
その舌は焼きつくす火のごとく、
30:28その息はあふれて首にまで達する
流れのようであって、
滅びのふるいをもってもろもろの国をふるい、
また惑わす手綱を
もろもろの民のあごにつけるために来る。
30:29あなたがたは、聖なる祭を守る夜のように歌をうたう。また笛をならして主の山にきたり、イスラエルの岩なる主にまみえる時のように心に喜ぶ。30:30主はその威厳ある声を聞かせ、激しい怒りと、焼きつくす火の炎と、豪雨と、暴風と、ひょうとをもってその腕の下ることを示される。30:31主がそのむちをもって打たれる時、アッスリヤの人々は主の声によって恐れおののく。30:32主が懲しめのつえを彼らの上に加えられるごとに鼓を鳴らし、琴をひく。主は腕を振りかざして、彼らと戦われる。30:33焼き場はすでに設けられた。しかも王のために深く広く備えられ、火と多くのたきぎが積まれてある。主の息はこれを硫黄の流れのように燃やす。

第31章

31:1助けを得るためにエジプトに下り、
馬にたよる者はわざわいだ。
彼らは戦車が多いので、これに信頼し、
騎兵がはなはだ強いので、これに信頼する。
しかしイスラエルの聖者を仰がず、
また主にはかることをしない。
31:2それにもかかわらず、主もまた賢くいらせられ、
必ず災をくだし、その言葉を取り消すことなく、
立って悪をなす者の家を攻め、
また不義を行う者を助ける者を攻められる。
31:3かのエジプトびとは人であって、神ではない。
その馬は肉であって、霊ではない。
主がみ手を伸ばされるとき、
助ける者はつまずき、
助けられる者も倒れて、皆ともに滅びる。
31:4主はわたしにこう言われた、
「ししまたは若いししが獲物をつかんで、
ほえたけるとき、
あまたの羊飼が呼び出されて、これにむかっても、
その声によって驚かず、
その叫びによって恐れないように、
万軍の主は下ってきて、
シオンの山およびその丘で戦われる。
31:5鳥がひなを守るように、
万軍の主はエルサレムを守り、
これを守って救い、これを惜しんで助けられる」。
31:6イスラエルの人々よ、主に帰れ。あなたがたは、はなはだしく主にそむいた。31:7その日、あなたがたは自分の手で造って罪を犯したしろがねの偶像と、こがねの偶像をめいめい投げすてる。
31:8「アッスリヤびとはつるぎによって倒れる、
人のつるぎではない。
つるぎが彼らを滅ぼす、
人のつるぎではない。
彼らはつるぎの前から逃げ去り、
その若い者は奴隷の働きをしいられる。
31:9彼らの岩は恐れによって過ぎ去り、
その君たちはあわて、旗をすてて逃げ去る」。
これは主の言葉である。
主の火はシオンにあり、その炉はエルサレムにある。


ピリピ

第4章

4:1だから、わたしの愛し慕っている兄弟たちよ。わたしの喜びであり冠である愛する者たちよ。このように、主にあって堅く立ちなさい。
4:2わたしはユウオデヤに勧め、またスントケに勧める。どうか、主にあって一つ思いになってほしい。4:3ついては、真実な協力者よ。あなたにお願いする。このふたりの女を助けてあげなさい。彼らは、「いのちの書」に名を書きとめられているクレメンスや、その他の同労者たちと協力して、福音のためにわたしと共に戦ってくれた女たちである。
4:4あなたがたは、主にあっていつも喜びなさい。繰り返して言うが、喜びなさい。4:5あなたがたの寛容を、みんなの人に示しなさい。主は近い。4:6何事も思い煩ってはならない。ただ、事ごとに、感謝をもって祈と願いとをささげ、あなたがたの求めるところを神に申し上げるがよい。4:7そうすれば、人知ではとうてい測り知ることのできない神の平安が、あなたがたの心と思いとを、キリスト・イエスにあって守るであろう。
4:8最後に、兄弟たちよ。すべて真実なこと、すべて尊ぶべきこと、すべて正しいこと、すべて純真なこと、すべて愛すべきこと、すべてほまれあること、また徳といわれるもの、称賛に値するものがあれば、それらのものを心にとめなさい。4:9あなたがたが、わたしから学んだこと、受けたこと、聞いたこと、見たことは、これを実行しなさい。そうすれば、平和の神が、あなたがたと共にいますであろう。
4:10さて、わたしが主にあって大いに喜んでいるのは、わたしを思う心が、あなたがたに今またついに芽ばえてきたことである。実は、あなたがたは、わたしのことを心にかけてくれてはいたが、よい機会がなかったのである。4:11わたしは乏しいから、こう言うのではない。わたしは、どんな境遇にあっても、足ることを学んだ。4:12わたしは貧に処する道を知っており、富におる道も知っている。わたしは、飽くことにも飢えることにも、富むことにも乏しいことにも、ありとあらゆる境遇に処する秘けつを心得ている。4:13わたしを強くして下さるかたによって、何事でもすることができる。4:14しかし、あなたがたは、よくもわたしと患難を共にしてくれた。4:15ピリピの人たちよ。あなたがたも知っているとおり、わたしが福音を宣伝し始めたころ、マケドニヤから出かけて行った時、物のやりとりをしてわたしの働きに参加した教会は、あなたがたのほかには全く無かった。4:16またテサロニケでも、一再ならず、物を送ってわたしの欠乏を補ってくれた。4:17わたしは、贈り物を求めているのではない。わたしの求めているのは、あなたがたの勘定をふやしていく果実なのである。4:18わたしは、すべての物を受けてあり余るほどである。エパフロデトから、あなたがたの贈り物をいただいて、飽き足りている。それは、かんばしいかおりであり、神の喜んで受けて下さる供え物である。4:19わたしの神は、ご自身の栄光の富の中から、あなたがたのいっさいの必要を、キリスト・イエスにあって満たして下さるであろう。4:20わたしたちの父なる神に、栄光が世々限りなくあるように、アァメン。
4:21キリスト・イエスにある聖徒のひとりびとりに、よろしく。わたしと一緒にいる兄弟たちから、あなたがたによろしく。4:22すべての聖徒たちから、特にカイザルの家の者たちから、よろしく。
4:23主イエス・キリストの恵みが、あなたがたの霊と共にあるように。


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